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労働能力喪失(逸失利益)の有無が問題となる後遺障害

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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)

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逸失利益の有無が問題となる後遺障害

自賠責保険では、後遺障害と認定されればすべて労働能力喪失率表に定められた労働能力の喪失が生じるとして、後遺障害による逸失利益が損害として認められます。

また民事損害賠償訴訟や、訴訟をしないまでも保険会社との示談交渉においても、ほとんどの場合は自賠責保険の労働能力喪失率表で定められた労働能力喪失があることを前提に、話し合いが進められます。

ところが後遺障害の中には、労働能力の喪失がなく、逸失利益の発生自体が問題となることがあります。そのような類型の後遺障害でも、労働能力の喪失が認められたり、一部認められたりする場合もあります。

従って、これらの類型の後遺障害に該当した場合は、逸失利益を請求するためにはほかの後遺障害にも増して、どのような症状が残っていてどのように労働に影響があるかなどを立証、説明していく必要があります。

そのような、労働能力の喪失が問題となる後遺障害を以下に説明します。

【このページの目次】

外貌醜状

外貌醜状の後遺障害は、通常の労働には影響を及ぼさないとして、逸失利益が否定される傾向にあります。ですが容姿が重視されたり、それなりに容姿が必要とされる職業に従事している場合には逸失利益が認められます。

また、以前は同じ傷跡でも女性の方が高い等級が認定されることになっていたことが関係しているのか、影響が大きいとして男性よりも女性の方が逸失利益が認められやすい傾向にありましたが、自賠責保険の外貌醜状についての基準(等級)から男女差がなくなったこともあり、裁判例はまちまちです。

 →外貌醜状の後遺障害の基準は?

歯牙障害

歯牙障害についても、デスクワーク中心となった現代では、多くの労働について労働能力に直接影響を及ぼさないと考えられ、逸失利益は否定されることが多くなっています。

 →歯牙障害の認定基準は?

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味覚・嗅覚障害

自賠責保険では、味覚脱失と嗅覚脱失は12級相当、味覚減退と嗅覚減退は14級相当とされています。味覚や嗅覚が重視される調理師等については当然逸失利益は認められます。主婦の嗅覚脱失についても認められる傾向です。

ですがそのような事情がない時には、逸失利益は否定されることが多くなっています。

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鎖骨変形

著しい変形を残すものは12級5号に該当します。
モデル等の容姿が重視される職業やスポーツ選手等の肉体労働的側面が強い職業については労働能力の喪失が認められますが、そのような事情がないときは逸失利益は否定されることが多くなっています。

腸骨採取による骨盤骨変形

他への骨移植術のために腸骨を採取することがあり、そのために骨盤骨が著しく変形すれば12級5号となります。

その場合でも、腸骨は人体で最も大きな骨であり、その変形により労働能力が減少することはあまり考えられないことから、それだけでは逸失利益は否定される可能性があります。

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生殖器の障害

生殖器については「両側の睾丸を失ったもの」は7級13号、「生殖器に著しい障害を残すもの」が9級17号とされています。

生殖器が日常生活に及ぼす影響が大きいことにより高めの等級が決められていますが、労働能力には通常は影響を及ぼさないので、逸失利益は否定される傾向にあります。

 →生殖器の障害の認定基準

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下肢短縮

下肢の短縮があった場合、5センチメートル以上なら8級5号、3センチメートル以上なら10級8号、1センチメートル以上なら13級8号に該当します。

片方の下肢の長さが短縮したことによって、体のバランスが崩れて日常生活に支障をきたします。

ですが13級8号の場合、歩行障害も見られないこともあり、事務職などで肉体労働の要素が少ない場合には、労働への影響がないと考えられて逸失利益が否定されたり減額されたりすることがあります。

 →下肢の後遺障害認定基準


関連項目

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